『お寺の設置事例』とよりどころとしての『お寺事情』
コロナ禍で法事が延期になり、いつの間にか法事そのものの習慣がなくなってしまった、帰省できずにお墓参りも行けていない、そんな話をそこかしこで聞くようになりました。
世の中が少しせわしくなってきたせいでしょうか。
田舎を気にかける、ゆっくりお寺で故人に想いを馳せる、先祖に感謝する、そんなひとときを作ることすら難しくなっていた様に思います。
そうした風潮の中で、お墓そのもののあり方も変わってきているようです。
~お墓は受け継ぐものからそれぞれのものへ~
お墓といえば一族にひとつで、「〇〇家之墓」に先祖代々がねむり、子孫が受け継いでいく。そのようなイメージが時代と共にいろいろと変化しているようです。
姓の異なる家の方がいっしょに埋葬される両家墓。
先祖代々ではなく夫婦だけが共にねむる夫婦墓。
一人で利用する個人墓。
このような新しいかたちのお墓は、永代供養とセットで売り出されているものが多く、残された人に負担をかけたくないという思いに応えるものとしてニーズが高まっています。
子孫がいなくても、また親族と没交渉であっても永代供養してもらえるなら安心という方もいらっしゃいます。
先祖代々のお墓を守ってきた方にとっては、少し受け入れ難いように感じられるかもしれませんが、両家墓、夫婦墓、個人墓、いずれも「亡くなった後、安らかにねむれると安心したい」、「残された人たちには迷惑をかけず良い姿のまま覚えていてほしい」という気持ちを感じます。無縁墓になってしまうよりは、最初からご供養をお任せしてしまうというのが、現代の効率重視というところでしょうか。
~宅墓、庭園や公園の樹木葬~
受け継ぐ必要のないお墓という意味では、樹木葬も注目されている埋葬のかたちです。あらかじめ定められた庭園や里山に故人の好きなシンボルツリーなどを植えて、そこに埋葬するという形式もあれば、霊園に設けられた樹木葬エリア(公園など)に植樹・埋葬する形もあるようです。
散骨などの自然葬も話題になりますが、特に樹木葬が多くの人の心を引き付ける理由はやはりその場所(樹木)は故人を偲ぶことができる場所であるということなのではないでしょうか。
現代では、単身で生活する人が増えています。
65歳以上の約4分の1は単身者と言われていますが、これは5年ほど前のデータなので、少子高齢化の加速と共に単身者の割合はもっと増えているでしょう。
コロナ禍を経て急速に世の中が変わっていく中、お墓のあり方も変わっていくのは当然と言えるのかもしれません。
しかし、変わらないものもあります。
~よりどころとしてのお寺、お墓~
変わらないのは、人がどのような形であれお墓をよりどころとしている点です。
世の中が大きく変わる時、人が不要と感じたものは消えてしまいます。
スマホが普及して公衆電話が減ったように。
PCが普及してTVを持たない若者が増えたように。
お墓も不要と思われれば、新しいかたちが登場する暇もなく廃れていったかもしれませんね。
しかし、現実は違います。
人はお墓という「よりどころ」を求めて、かたちをアップデートさせてきたのではないでしょうか。
高齢者の中には、お墓参りや法事のために気力を保っている方、お墓をよりどころとしている方がまだまだ大勢いらっしゃいます。
お寺も同様に、高齢者の方々に寄り添い、よりどころとしての役割を果たしていらっしゃるように思います。
~高齢化する檀家さんに寄り添い、昇降機導入も増加~
弊社北日本メディカルでも、お寺への昇降機導入実績は増え続けています。
納骨堂は、寺院の二階におかれていることが多く、お参りするためには20段前後の階段を登る必要のある施設がほとんどです。
檀家さんの高齢化、ご住職ご自身の高齢化によって、寺院の段差や階段をしんどく感じる、そんな時には昇降機を活用いただきたく、最近の事例のご紹介をさせていただこうと思います。
・20余段の階段に階段昇降機を設置(クリックでリンクへ飛びます)
エレベーターの設置を求められていたそうですが、スペースが無く断念していました。
ある檀家さんから紹介された階段昇降機によって高齢の檀家さんも好きな時にお一人でお参りできるようになり、たいへんお喜びだそうです。
耐用年数10年と言われる階段昇降機を、丁寧にメンテナンスいただき25年ご使用いただいたお寺です。
25年大切にご使用いただいた機器を新型に変える際、本堂へ続く複雑な形状の階段にも2台めを設置いただけることになりました。
こちらのお寺では、階段の上り口が多くの人が行き交う通路となっているため、階段昇降機のレールを折り畳みレール(オプション)へと変更しました。
利用しない時は、レールの出っ張り部分を収納できるので、行き来の多い通路に面していても安全にご利用いただくことができます(写真参照)。
・車いすの移乗しやすいスペースに設置も◎
車いすや要介護者がより安全に階段昇降機を乗り降りできるよう、上階の広いスペースまでレールを伸長しました(写真参照)。
高齢者や要介護者にとっては、一段の段差もお参りの妨げになってしまうことがあります。
実際、6段ほどの小階段にピッタリ合う折り畳み式(折り畳み幅は壁から25cmのコンパクト設計!)の階段昇降機を設置し、檀家さんにたいへん喜ばれたというお寺もあります。
法律や納期、予算の関係でエレベーターをつけられない環境でも、階段昇降機は短納期、低コストで設置できるため、檀家さんの不安や不便を解消するのに最適という嬉しいお声もいただきました。
誰もが思い立った時にお参りに来られる、そんなお寺は檀家さんにとって非常に心強い「よりどころ」になっているのでしょうね。
設置した印象を知りたいという方については、試乗を受け入れてくださるありがたいお寺もございます。
ご興味のある方はぜひご一報ください。