皆さんこんにちわ。
4月のテーマは「心のバリアフリー」についてお送り致します。
北海道にもゆっくり春がやってきます。
少しずつですが、草花を愛でよう、外へ出よう、という気持ちが育っていくような季節となりますね。
しかしながら、気持ちの赴くままに外出するのが難しい方々がいらっしゃることも、私たちは忘れてはならないでしょう。
今回は「心のバリアフリー」のお話です。
突然ですが、皆さんの身近に、車いすユーザーはいらっしゃいますでしょうか。一緒に暮らすご家族、離れて住む親戚、定期的に会う友人や知人‥‥そうした近しい間柄で、昇降機やユニバーサルトイレを使って生活している方はいらっしゃるでしょうか?
車いすユーザーにとって、気ままに外出することは、現状とても難しいものです。
ほんの数センチの段差が、車いすユーザーにとっては外出を妨げる大きな壁となってしまう。。。健常者にとっては何の変哲もない街も、車いすユーザーにとっては困難に満ちた風景となります。
最近では、そうした思いを率直な言葉で発信する人も増えてきました。
例えば、登録者11万人のYouTubeチャンネルを運営している車いすユーザーの渋谷真子さん(@s_maco_)は、このような投稿をしています。
~引用~
2階から1階に降りたいだけなのに人が多くて乗れなくて何機も見送って15分位待ってた。トイレにも行きたくて、障害があって我慢出来ないから漏れ(大・小)との戦い。車いすはエレベーターしか手段ない。歩ける人は階段もエレベータも手段としてある。そっち使ってほしいなぁ。って言うのはわがままなのかな?
(https://twitter.com/s_maco_/status/1585810391384215552?s=20)
~引用終わり~
「漏れ」と戦っているというストレートな表現に、もどかしさや不自由さが伝わってきます。
車いすギャルとしてグラフィックデザイナーやYouTuberなど多彩な活動をしているさしみちゃんさん(@sashimi_channn)は、自身のインスタグラムで車いすユーザーの日常について、困っている様子、楽しんでいる様子を積極的に発信しています。
すべての人が気持ちよく、そして共生して暮らしていくには、「心のバリアフリー」を進めていくことが大切です。
「心のバリアフリー」とは、2017年の閣僚会議で決定された「ユニバーサルデザイン2020行動計画」で提唱された言葉です。
さまざまな特性を持つ人同士が相互理解を深めるため、心のバリアフリーには次のような3つのステップがあります。
1. 障害の社会モデルの視点でバリアを理解する
2. コミュニケーションをとる
3. 適切な配慮を行う
この3つのステップは、障がいを「車いす」、「杖」といったハード面だけでとらえずに、感じていることなどのソフト面でとらえていくためのステップです。
先ほどのエレベーターの事例で言えば、車いすユーザーがエレベーターをスムーズに使えないのを「バリア」ととらえるのではなく、「エレベーターを使えずに困っている」その状況自体をバリア=障壁ととらえる考え方です。
障がい者のバリアとなる困りごとには、次のような例があります。
【視覚障がい者の困りごと】
・点字ブロックが駐輪自転車などにふさがれている
・「ペットだから」と盲導犬の同伴入場を断られる
【バリアを取り除くためにできること】
・視覚障がい者に声をかけて自転車を移動させ、通行できるように手助けする
・点字ブロックと重なるところには駐輪しない、物を置かない
・盲導犬同伴で入れるよう、施設の整備を進める
・盲導犬への理解を深める
【車いすユーザーの困りごと】
・街中でジロジロ見られる
・段差を一人で上がれない
・行列やレジで時間がかかると気を遣う
【バリアを取り除くためにできること】
・車いすについての理解を深める
・声をかけて必要なら介助する
・聞き取りを行なって必要なサポートを行う
・周囲の人も寛容の精神をもって待つ/接する
心のバリアを取り除くためには、障がい者の視点に立って考え、まずコミュニケーションをとる=声かけするのが大切です。
手伝おうと急に近づくとビックリ!してしまう人もいますし、自分のことは自分でできるからと、取り組んでいる障がい者もいます。
いろいろな特性をもつ人が共生するためには、「私にできることはありますか?」と相手に尋ねることから始まるのですね。
声をかけるのは勇気がいりますが、人の手を借りるのも非常に勇気のいることだと思います。
具体例はあってもこれだ!という正解のない「心のバリアフリー」。
ですが、どのような人でも、気にかけてもらったり気遣いをしてもらったりして、悪い気がする人は(ほとんど)いないはず。
人の心を信じて、一つ一つできることをしていきたいですね。
日本では2013年、すでに障害者差別解消法が施行されていますが、この法の目的である「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進する」を達成するには、まだ長い道のりがあると言わざるを得ません。
それでも相手を尊重して心のバリアフリーを目指すことで、すべての人にとって暮らしやすい社会が実現するはずです。
万人が暮らしやすい社会、それを考えるのは難しいことですが、できることから取り組んでいくのが社会の美しい姿なのではないでしょうか。
今月もお読みいただきありがとうございました♪
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