急な階段は、転倒すると下まで転げ落ちる可能性があるため、高齢者にとって危険です。
また、階段昇降に問題を抱えている家族がいる場合、介助者が転倒してしまう危険性もあります。
そこで今回は、急な階段の対応方法として、階段昇降機を設置したF様邸の事例を紹介します。
今回のご依頼主様は、二人暮らしをされている70代のご夫婦です。
ご主人が階段の昇降が困難になったことから、昇降機の設置を決断されました。
F様邸は木造の2階建てです。
1階が元店舗で、2階にリビングと寝室があるため、生活するには階段の昇降が不可欠です。
その2階へ行く方法は、元店舗を通って屋内階段を利用する方法と、外階段から2階の玄関に行く方法があります。
F様邸では、「費用を抑えられる」や「天候に関係なく利用できる」といった理由から、屋内階段に昇降機を設置することになりました。
外階段に昇降機を設置するのも可能でしたが、地域的に雪対策の玄関フードを設置する必要があり、設置費用がかさむことから今回は見送っています。
F様邸の屋内階段には2つの問題点がありました。
F様邸の屋内階段の問題点は53.5度の急勾配です。
具体的には蹴上が230mm、踏面が170mmでした。
勾配が急で踏面が狭いことから、健常者でも転倒のリスクのある階段といえます。
実際に弊社が現地調査した時は、転倒しないように細心の注意を払い階段の計測をしました。
▲急勾配の階段(改修後の様子)
2つ目の問題点は、最下階1段目に三角の踏板がある90度曲線階段という点です。
このままの状態では、曲線階段用の昇降機を設置する必要があります。
しかし、直線階段用と比較すると、曲線階段用の昇降機は高額です。
高齢者の二人暮らしにとって費用がかさむのは、大きな問題といえます。
▲改修前の1階の様子
弊社は以下の3つの工夫を施すことで、費用を抑え、短期間での昇降機の設置を実現しました。
まずは、最下階1段目の三角の踏板を改修しました。
具体的には、三角部分を2段目以降の直線階段の踏面と同じ寸法にすることで、曲線階段から直線階段にリフォームしています。
この改修により、直線階段用のエスコートスリムが設置可能となりました。
▲改修後の1階の様子
F様邸の屋内階段には、下階に階段室があり、内開きの開き戸がありました。
しかし、このままでは昇降機の設置スペースを確保できません。
そこで、内開きから外開きへ改修し、クリアランス寸法を広げました。
この改修により、昇降機の乗降場所を確保しつつ、階段室の開き戸も残せました。
昇降機側に壁がなく、手持ちのほうが使いやすいとのことから、2階の呼び送りスイッチはペンダントスイッチのように使用できるようにしています。
※昇降機側に壁がなくても、反対側の壁に設置することも可能です。
▲2階乗降場所の様子
弊社は事前に、上記の工夫をすることで、直線階段用のエスコートスリムの設置が可能であることをF様にお伝えしました。
F様に費用の圧縮と納期を短縮できる点を高く評価していただき、弊社へ依頼される決め手となりました。
エスコートスリムの特徴は以下のとおりです。
・25度~55度までの階段に設置できる
・シートベルトの装着で安全に利用できる
・6色のバリエーションから選択できる
・ひじ掛け&足のせ台が連動で楽々操作
・乗り降り便利ないす回転機能
弊社の強みは、階段昇降機の設置実績が2700台を超え豊富なことです。
多くの事例で培った経験や技術をもとに、予算やお客様のご要望に最適なプランを提案します。
急な階段のバリアフリーとして階段昇降機の設置を検討されている方は、お気軽に弊社までご連絡ください。