障がいにより階段の昇降が不安になってきたという方はいませんか。
そのような方の場合は、日常生活用具給付により自己負担を抑えて階段昇降機を設置できるケースがあります。
今回は日常生活用具給付事業を活用し、風除室内の屋外直線階段に昇降機を設置したO様邸の事例を紹介します。
日常生活用具給付とは、市町村が実施する地域生活支援事業の1つです。
障がい者の日常生活を円滑に行うための用具の給付・貸与により、福祉の増進を目的としています。
日常生活用具給付を活用した場合、自己負担額は日常生活用具価格の1割です。
また、日常生活用具価格の基準額を超える額については自己負担となります。
今回のケースの階段昇降機は、介護・訓練支援用具の移乗用リフトに該当し、給付基準額は159,000円です。
日常生活用具給付事業の対象者は障がい者・障がい児・難病患者です。
移乗用リフトについては、下肢または体幹機能障がい者が対象となります。
※注意点:日常生活用具給付事業は市町村の判断により決定するため、市町村により申請の流れや給付額の上限が異なる場合があります。
O様邸のご主人は頸椎症性脊椎症(けいついしょうせいせきずいしょう)を患っており、階段の昇降に不安を抱えていました。
頸椎症性脊髄症は頸椎で脊髄が圧迫される疾患で、手足の感覚の麻痺やしびれが症状としてあらわれます。
O様の場合、ケアマネジャー主導で日常生活用具給付事業へ申請し、確定したため昇降機の設置に至りました。
設置場所は、風除室内の6段の屋外直線階段です。
冬場は靴についている雪などが凍り、タイル面が滑りやすくなるためご主人には大変危険な階段でした。
▲設置前の階段の様子
ご主人は室内の移動に車いすを利用しています。
昇降機へ移乗しやすくするために、階段昇降機の座面を少し高くして欲しいとの要望がありました。
具体的には、今使っているベッドの高さが床から500mm位で、同等の高さにして欲しいとのことでした。
O様邸の階段昇降機の設置で弊社が行った工夫は主に以下の2点です。
屋外直線階段であるものの風除室内のため、屋内用の直線タイプの階段昇降機を設置しました。
屋内用と屋外用と比較すると、屋内用のほうが設置費用は安くなります。
ご要望の対応として、上階のレールを延長し、床と昇降機の座面の高さが500mmとなるように調整しました。
具体的にレール長2,160mmから2,310mmに延長することで、高さの調整をしています。
▲レールを延長し高さを調整
ご主人は入院中のため、残念ながらまだ昇降機を利用できていません。
ただし、ご主人の代わりに立ち会った奥様は、これで退院しても大丈夫と安心した様子でした。
弊社では、屋内用・屋外用や直線タイプ・曲線タイプなどの多種多様な階段昇降機を取り扱っています。
階段や段差の昇降でお困りの方は、ぜひご相談ください。
長年培った経験・知識・技術力でベストな解決策を提案します。