車いすが必要になり、自宅の2階へ行けないと諦めている方はいませんか。
そのような方におすすめしたいのは、階段昇降機です。
家庭用エレベーターという選択肢もありますが、増改築などに高額な費用がかかります。対して、階段昇降機であれば使いなれた階段をそのまま使用できるので、家庭用エレベーターと比較して安価に済むのがメリットです。
今回は車いすが必要になった奥様のために、階段昇降機を設置したY様邸の事例を紹介します。
奥様が脊髄の病気の手術を受けた影響で、車いすが必要となる可能性があるとのことでした。そこでご主人は、奥様のために階段昇降機の設置を決心します。
奥様より「座面を高くしてほしい」というのが今回の要望です。そこで、もともとの高さ469mmから580mmへ、10cm以上高く設計しています。
なぜ高い座面を要望されたかといえば、以下の2つの理由があります。
1. 足腰に力が入らず、高いと立ち座りが楽なため
2. 車いすと昇降機での移乗のしやすさを重視したため
なお一般的な椅子の座面の高さは身長×1/4といわれ、おおよそ370~430mmです。このことからY様邸の階段昇降機の座面が一般的な椅子よりも高いことがわかるでしょう。
Y様邸の階段は、途中で180度向きが変わる折り返し階段です。外側に手すりが設置されているため、階段昇降機は内側に設置しています。
▲Y様邸 設置前の階段
今回は180度の折り返し階段のため、曲線タイプの階段昇降機「楽ちん号KF-W曲線型」を選択しています。
▲折りたたんだ状態の楽ちん号KF-W曲線型
楽ちん号KF-W曲線型の特徴は以下のとおりです。
・木製で高級な丸みのあるデザイン
・6色のカラーバリエーション
・折りたたむことでコンパクトに収納
・自動巻き取りシートベルト
・スイッチ操作は指を離すと停止する安心設計
今回は階段の雰囲気に合わせて、オレンジのカラーを選択しています。
Y様邸で弊社が階段昇降機を設置するのに工夫したポイントは、以下の2つです。
奥様の要望でもある座面の高さについては、ご主人と何度も打ち合わせを行い、車いすと昇降機の移乗がスムーズにできる高さに調整しました。とくに下段は階段の1段目を活用することで、十分な高さに調整しつつ、移乗のためのスペースを確保しています。
▲高さ調整した階段昇降機
上階では階段からさらに90度曲げて、安全な位置で移乗できるように配慮しています。階段のすぐ近くで移乗するのは、高さのあるぶん奥様に恐怖心を与えかねないためです。
▲90度曲げた上階部分
階段昇降機を検討している方のなかには、高さはどれくらいが適切なのか?と疑問に思う方もいるでしょう。
介護の現場において車いすとベッド間の移乗は、車いすの座面とベッドの高さを揃えることが基本です。そのため、今回のように移乗のしやすさを重視するのであれば、利用している車いすの座面の高さが1つの基準となります。
設置後、ご主人に試乗していただいたところ、大変満足されていました。
この昇降機があれば、退院してくる奥様が安全に昇り降りできると安心したことでしょう。
今回のように弊社では不安・疑問・要望の解決に向けて、複数回の打ち合わせなどにより丁寧に対応します。設置を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。