近年、企業の競争力を高めるための施策として、「インクルーシブな職場づくり」に注目が集まっています。
インクルーシブな職場とは、多様な背景を持つすべての従業員が安心して働ける環境が整備され、それぞれが能力を最大限発揮できる職場のことです。
企業はこのような環境を実現することで、従業員のエンゲージメント(愛社精神)や生産性の向上、さらには企業のブランド価値を高める効果が期待できます。
そして、職場で特に障害になりやすい場所は階段です。
今回は職場環境の改善対策として、いす式階段昇降機を導入した北海道電力ネットワーク株式会社道南統括支店 電力部様の事例を紹介します。
北海道電力ネットワーク株式会社道南統括支店 電力部様が使用している建物は、1980年代に建築されたコンクリート造りの3階建てです。
この建物には昇降設備がなく、従業員は日常的に階段を利用する必要がありました。
しかし、階段昇降に負担を感じる従業員もおり、その対策の必要性から職場環境を改善するための検討が始まりました。
職場環境を改善するために、次の3つの案を検討したとのことです。
まず、所属先グループを1階へ移動することで、階段昇降の必要性をなくすことが検討されました。
しかし、既存の設備の再配置や業務スペースの確保など、所属先グループを移動するには大規模な作業が必要となるため、現実的に困難として断念しました。
次に検討したのがエレベーターの設置です。
しかし、エレベーターを設置するには数千万円の費用がかかることが判明し、設置費用が高額であることから見送ることになりました。
最終的に採用された案がいす式階段昇降機の設置です。
いす式階段昇降機はエレベーターと比較して、納期が短く、設置費用を抑えることができます。
さらに、設置工事が2日間で完了する点が採用の大きな決め手となりました。
いす式階段昇降機を設置するにあたり、1点問題がありました。
それは、通常の設置方法では踊り場部分の有効幅員(1,200mm以上)を確保できないことです。
解決策として、階段の手すり部分を約200mmカットすることで、安全面に配慮しながら基準を満たしました。
▲踊り場の手すり部分を撤去
今回の事例のように、企業がいす式階段昇降機を設置すると次のメリットがあります。
階段の昇降に負担を感じている従業員にとって、いす式階段昇降機があることは安心感につながります。
このように安心・安全な環境を整備することで、すべての従業員が働きやすい職場環境を実現できます。
来客や取引先の中には、加齢や身体的な理由により、階段昇降に負担を感じている方もいるでしょう。
いす式階段昇降機を設置すると、このような方も安心して来訪できるようになります。
すると、企業のイメージアップといった社外評価の向上につながります。
ダイバーシティ&インクルージョンとは、性別や年齢、障害の有無、宗教、趣味など多様な個性を認め合い、受け入れることです。
D&Iは企業価値や競争力の向上、あるいはイノベーションの促進のために多くの企業が取り入れています。
実際に「令和元年度経済財政白書」において、多様な人材の増加は生産性の向上や人手不足の解消に役立つことが示されています。
つまり、階段昇降機の設置はD&Iの推進につながるので、これらの効果を期待できるのがメリットです。
インクルーシブな環境づくりは、企業の競争力を高める重要な要素です。
特に、高齢化が進む日本において、階段は誰しもが障害となる可能性のある場所といえます。
いす式階段昇降機は、短期間で設置できる上に費用対効果も高いことから、メリットの多い選択肢です。
いす式階段昇降機の導入を検討されている企業様は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。