「階段昇降機を設置したいけれど、設置スペースが足りるか不安」という方はいませんか。
階段が狭い、あるいは下階・上階の前のスペースが限られているなどにより、「設置場所がないかも」と躊躇している方もいるでしょう。
しかし、スペースが狭くても工夫次第で、普段の生活に支障なく設置できることがあります。
今回は、そのように悩んでいたS様の階段昇降機の導入事例を紹介します。
同じような悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。
S様邸で階段昇降に悩みを抱えていたのは奥様です。
奥様は体調が良ければ歩行可能で、階段も手すりを使いながらご主人の見守りのもと昇り降りができます。
ただし、体調が悪いと全く動けません。
最近は体調の優れない日が増えて、寝室へ上がれずに居間で寝ることが多くなっていました。
このままでは生活の質が低下すると心配したご主人は、昇降機の設置を検討し始めます。
S様邸の階段は、13段の180°フルターン階段です。
一般的に高齢者が安全に上りやすい階段の勾配は40°とされていますが、S様邸の階段の勾配は49°です。
急な階段では、踏み外したり、転倒したりすると一気に下まで転がり落ちて大きな事故につながる可能性があります。
このことから、S様邸の階段は何かしらの対策が必要な状態でした。
▲急な階段(設置後の様子)
ご主人は、最初にホームエレベーターの設置を検討しましたが、次の2点がネックとなり設置を躊躇していました。
・設置スペースを確保できない
・設置費用が高額
そのような時、貸与事業者が展示していた階段昇降機を発見しました。
興味を持ったS様は貸与事業者に相談をしたところ、いす式階段昇降機の設置を提案されたとのことです。
しかし、S様邸の階段下は狭く、さらに洗面所へ続く引き戸もあるため、設置可能かどうかを懸念していました。
そこで、弊社に現地調査を依頼した次第です。
※ホームエレベーターと階段昇降機の比較は、「階段昇降機とホームエレベーター」の記事をご参照ください。
弊社の専門スタッフが現地調査を行った結果、レールの飛び出しを最小限(400mm以下)にすれば洗面所への移動は可能であることが判明しました。
そこで、次のような利用方法を提案しました。
・引き戸前のレールの飛び出しを最小限(378mm)にする
・下階では階段の1段目と同じ高さで昇降機を停止させる
・下階は踏み台を使用して乗降する
この方法であれば、階段昇降機の利便性を生かしつつ生活動線も確保できることを説明したところ、ご主人は納得したうえで設置を決断されました。
▲下階は踏み台を使用して乗降
▲2階はレールを乗上げて設置
▲2階での乗降はいす回転機能を活用
いす式階段昇降機の設置により、奥様の生活は大きく変わりました。
現在は、1日3回ほど寝室へ行くために利用しており、階段の昇降時間が短縮されたことで奥様の自立支援に貢献しています。
また、49°の階段を無理に昇り降りする必要がなくなり、階段での転倒のリスクを大幅に軽減できました。
加えて、ご主人の介護負担の軽減にもつながったので大変ご満足いただいております。
今回の事例のように、階段が狭かったり、周囲の動線に制約があったりしても、設置方法を工夫することで安全かつ快適に利用できる場合があります。
弊社では専門スタッフが現地調査を行い、ご自宅の状況に最適な設置方法や利用方法をご提案します。
「うちには無理かもしれない」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。