外構に階段のある家は、おしゃれで素敵ですよね。
しかし、車椅子を利用している方には大きな障がいになってしまいます。
今回は外構の階段により、外出や通院に困っていたT様邸の段差解消機の設置事例を紹介します。
今回紹介するT様邸では、娘さん(50代)のために、ご両親から段差解消機の設置をご依頼頂きました。
娘さんは十数年前に次第に筋力が衰える病気になり、徐々に歩行が制限され、現在は車椅子を利用して生活されています。自宅にはホームエレベーターが設置されているため、自宅で車椅子を使用して生活することは問題ありません。
T様邸の問題点は外構の階段です。
▲車椅子では16段の階段の昇り降りは大変
T様邸は山の斜面にあり、敷地内の緑が豊かで、高低差を生かした美しいお庭が広がる住宅です。しかし、道路から敷地まで1.5m下がっており、玄関までは16段の階段があります。
通院や外出のたび、介護スタッフが数人がかりで車椅子を抱えて階段を移動していました。このような人力に頼った移動方法に限界を感じ、段差解消機の設置を決断されます。
T様邸における工事の流れを紹介します。
まずは段差解消機を設置するための昇降路を作りました。
▲昇降路の設置
写真で見ると小屋のようですが、段差解消機を設置するための屋内昇降路です。階段横のお庭だった斜面を掘って、スペースを確保しています。末永くお使いいただけるように、地盤を補強したのちに建築しました。
▲屋内昇降路を設置
最後に屋内昇降路へ段差解消機を設置して完了です。
▲段差解消機の設置 昇降時は安全バーがあるので安心
ポイントは、屋内昇降路の出入口に電動シャッターを設けていることです。これにより、雨風や雪にも対応できます。
▲電動シャッターを出入口に設置
設置後、入院中の娘さんの代わりにお母様に試乗頂きました。
「速度がゆっくりに感じる(1.5mを90秒で昇降)が、このくらいが安心確実でいいのかい。恐怖心なく滑らかに動いてくれますね。段数の多い階段で大変だったけど、これからは娘一人でも移動できるからいいね。きっと娘も喜ぶよ」と喜ばれています。
今回の事例を見て、「スロープで良いのでは?」と思った方もいるでしょう。
たしかに段差を解消する方法として、スロープの設置はよく用いられる方法です。しかし、今回のように1.5mもの段差となると、介助があれば移動できますが一人では困難です。
また、介助者がいたとしても雨や雪で足元が滑りやすい状態の場合、危険を伴うこともあります。
▲一人でも利用できるのがポイント
今回のケースでは、スロープよりも段差解消機のほうが、安全・安心につながると自負しております。加えて、電動シャッターや段差解消機は娘さんが一人でも使えることから、生活の質の向上にも役立つでしょう。
自宅の階段の解決方法としてスロープの設置を検討している方は、段差解消機も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
費用や設置に関して不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。